2025/06/19 19:41

コーヒーかすの堆肥を使用している、久能海岸にある山口農園
2021年『静岡市SDGS連携アワード』では、サスティナビリティ部門賞を受賞した。
全店舗で廃棄されるコーヒーかすは年間5t。辿り着いた答えは、微生物で発酵させ堆肥にすることだった。取り組みは功をなし、コーヒーかすの廃棄量は0となる。
「地域の方達の協力を経て、コーヒーかすが堆肥になった。収穫した野菜を使用し、新たな循環が生まれる。サスティナブルなことができているのはないかと思う」

デザインダルマ展2021
7年目の開催を迎えた「デザインダルマ展」も、リピーターが集う人気企画の一つ。デザインダルマとは、真っ白なだるまにアーティストたちが自由にペイントをしたアート作品だ。きっかけは、かつて顧客として通っていたスタッフの曾祖父が、だるま職人だったことだった。巡り合わせはかさなり、新たな息吹とともに今に至る。
「伝統工芸の未来を感じた」
その言葉には、良きものを未来に引き継いでいきたい想いがある。

ハグコーヒースタッフが講師を務める静岡商業高校の課外授業
他にも、静岡の企業と取り組む『はぐるまプロジェクト』や、アーティストの個展、学校の職業体験など活動は多岐にわたる。
一見、繋がりがないものを独自の目線で結んでいく。その核にあるのは、コーヒーがもたらした人との縁だった。
「コーヒーは、人と人を繋ぐ力がある。僕たちは、コーヒーがもたらしてくれるものを信じている」
二人の代表の話を聞いていると、樹木が思い浮かぶ。命を育む土の上に一本の樹木が根付き、新たな生態系をつくっていく。
「面白い場所には、出会いがある。新しいカルチャーが生まれて、いろんな人が活躍できる静岡になってくれたら」

これから描く、未来について尋ねてみた。
「みんなに美味しいコーヒーを飲んでほしい。他にはできない、かゆい所に手が届く店でありたい」
「いい仕事をしていきたいと思う。いい仕事とは、クオリティのこと。作り手や飲食店という立場が、大切にされることを願っています」
人は、受け皿がある所に集う。静岡に根を張り続けた12年。迎え入れてきた場は地域と繋がり、やがて社会へとひらかれていく。
今日もhug coffeeは一杯のコーヒーを淹れる。
この地で、新たな化学反応が生まれることを願って。コーヒーは街をデザインし、新たな居場所をつくり続ける。